2024/10/08 (TUE)
【実施報告】9月13日(金) 公開講演会 立教BLPカンファレンス2024 『大学生の生み出すアイデア』が企業にもたらす価値とは?:新規事業・働き方・まちづくりに関する146のアイデアから得られるもの
OBJECTIVE.
2024年9月13日(金)、立教BLPカンファレンス2024を立教大学池袋キャンパスにおいて対面形式で開催いたしました。平日に対面での実施にも関わらず、約50人の方にご参加いただきました。ご参加いただいた皆様、改めて御礼申し上げます。当日の様子をご報告いたします。
当日の流れ
・イントロダクション
BLPカンファレンスの趣旨説明
ゲスト紹介
・参加者同士の自己紹介
・BLPとは何か?
今年の企業連携について
・リーダーシップ入門(BL0)受講生によるプレゼンテーション
・協力企業代表者様によるプレゼンテーション
BL0 サントリーホールディングス株式会社 松尾様
BL2 パーソルホールディングス株式会社 木下様
BL4 株式会社サンシャインシティ 倉林様
・質問・コメントを募集しパネルディスカッション
BLPカンファレンスの趣旨説明
ゲスト紹介
・参加者同士の自己紹介
・BLPとは何か?
今年の企業連携について
・リーダーシップ入門(BL0)受講生によるプレゼンテーション
・協力企業代表者様によるプレゼンテーション
BL0 サントリーホールディングス株式会社 松尾様
BL2 パーソルホールディングス株式会社 木下様
BL4 株式会社サンシャインシティ 倉林様
・質問・コメントを募集しパネルディスカッション
今年は、「『大学生の生み出すアイデア』が企業にもたらす価値とは?」をテーマに、連携企業3社の代表者にお越しいただき、コラボレーションした結果や考察について発表していただきました。また、BL0でクライアント賞を受賞したチームの学生たちが、当日行ったプレゼンを再現し発表する場面もあり、お越しいただいた皆様に大学生のリアルな声をお聞きいただける機会となりました。
冒頭、BLP主査の舘野准教授よりご挨拶とBLPの概要、近年の取り組みについて説明がありました。
以下、内容抜粋
—--
舘野:
BLP(Business Leadership Program)は2006年に創設された立教大学経営学部のコアカリキュラムで、産学連携の実践的なプロジェクトを通してリーダーシップについて学ぶ授業です。近年はメディアに取り上げられることが増え、入学理由に「BLPがあるから」と答える新入生は非常に多いです。起業し、活躍している卒業生もおり、嬉しく思います。
BLPは、リーダーシップ入門(BL0)・BL0より複雑なプロジェクト課題に挑むBL2・他学部も受講可能なBL4という経験学習型リーダーシップ教育を行う授業と、リーダーシップと論理思考について学ぶBL1・リーダーシップや論理思考、セルフアウェアネス(自己認識)についてより知識を深めるBL3という、知識・スキル型リーダーシップ教育を行う授業で構成されています。年次に合わせ、段階的に取り組むプロジェクト課題の難易度が上がり、より高度な理論を学びスキルアップを測れる仕組みです。また、学生スタッフ制度があり、上級学年が教員とともに授業を進行・運営したり、イベントの企画・実施を行います。近年はコーチングにより受講生支援を行うメンターも加わり、BLPに関わる学生スタッフが増加しました。受講生だけでなく運営チームもそれぞれがリーダーシップを発揮し、より良い環境づくりにつながっています。
冒頭、BLP主査の舘野准教授よりご挨拶とBLPの概要、近年の取り組みについて説明がありました。
以下、内容抜粋
—--
舘野:
BLP(Business Leadership Program)は2006年に創設された立教大学経営学部のコアカリキュラムで、産学連携の実践的なプロジェクトを通してリーダーシップについて学ぶ授業です。近年はメディアに取り上げられることが増え、入学理由に「BLPがあるから」と答える新入生は非常に多いです。起業し、活躍している卒業生もおり、嬉しく思います。
BLPは、リーダーシップ入門(BL0)・BL0より複雑なプロジェクト課題に挑むBL2・他学部も受講可能なBL4という経験学習型リーダーシップ教育を行う授業と、リーダーシップと論理思考について学ぶBL1・リーダーシップや論理思考、セルフアウェアネス(自己認識)についてより知識を深めるBL3という、知識・スキル型リーダーシップ教育を行う授業で構成されています。年次に合わせ、段階的に取り組むプロジェクト課題の難易度が上がり、より高度な理論を学びスキルアップを測れる仕組みです。また、学生スタッフ制度があり、上級学年が教員とともに授業を進行・運営したり、イベントの企画・実施を行います。近年はコーチングにより受講生支援を行うメンターも加わり、BLPに関わる学生スタッフが増加しました。受講生だけでなく運営チームもそれぞれがリーダーシップを発揮し、より良い環境づくりにつながっています。
—--
続いて、今年度リーダーシップ入門(BL0)で本選まで勝ち進み、プレゼンをした小松先生クラス1班の受講生たちに、実際に本番で行った発表を再現してもらいました。
リーダーシップ入門(BL0)でサントリーホールディングス株式会社様よりいただいた課題は、「”豊かな生活文化を創造”するサントリーの新規事業アイディアを創出せよ!」でした。小松先生クラス1班が提案したプランは、見たい夢を見られる商品を提供するというものです。自分たちなりの”豊かさ”を定義するところから始めることで、常識にとらわれない独創的なアイディアに基づいてプランを構築でき、堂々と発表をしていました。
企業が大学とコラボレーションし、大学生の価値観が自然と表出されるような学習環境の設計をすることで、「本音」から生み出される大学生の「真のニーズ」を掴むことができます。おとなの「仮説」を「確信」にしてくれる、市場調査の役割も担うことができる仕組みです。
続いて、今年度リーダーシップ入門(BL0)で本選まで勝ち進み、プレゼンをした小松先生クラス1班の受講生たちに、実際に本番で行った発表を再現してもらいました。
リーダーシップ入門(BL0)でサントリーホールディングス株式会社様よりいただいた課題は、「”豊かな生活文化を創造”するサントリーの新規事業アイディアを創出せよ!」でした。小松先生クラス1班が提案したプランは、見たい夢を見られる商品を提供するというものです。自分たちなりの”豊かさ”を定義するところから始めることで、常識にとらわれない独創的なアイディアに基づいてプランを構築でき、堂々と発表をしていました。
企業が大学とコラボレーションし、大学生の価値観が自然と表出されるような学習環境の設計をすることで、「本音」から生み出される大学生の「真のニーズ」を掴むことができます。おとなの「仮説」を「確信」にしてくれる、市場調査の役割も担うことができる仕組みです。
—--
その後、今年度の連携企業3社のご担当者様(サントリーホールディングス株式会社 松尾様、パーソルホールディングス株式会社 木下様、株式会社サンシャインシティ 倉林様)より、企業視点から大学とコラボレーションするまでの経緯、取り組み内容、今後の課題、大学生のアイディアがもたらす利点などついてお話をいただきました。
以下、内容抜粋
—--
松尾様:
一昨年に未来事業開発部部長がBLPを見学した際に、「面白そう」と感じたところからBLPとの連携が始まりました。①アカデミックの知見が得られる②若者の感性や情熱を感じられる、といった点から、共に学び、学生にサントリーのことを知ってもらいたいと思い、2年連続で連携しています。
今回は、私たちの会社のビジョンも反映させたお題を設定しました。3か月間タイトなスケジュールでしたが、課外授業も2度行うなど、社員・学生双方が情熱を持って取り組みました。
学生と関わることで、企業や社会人では持ちづらい発想を知ることができました。例えば先ほどの発表で言えば、私たちも「睡眠」の質を上げる事業は想像できましたが、「夢」をコントロールするということは「できないだろう」と決めつけていました。そういった部分に焦点を当て、根拠をもって提案してくれたことには驚きました。
また、事業を加速させる視点も得られました。実はある提案をしてくれた班が、秋にインターン生として事業にジョインすることとなりました。いただいた提案が現在進んでいるプロジェクトを後押ししてくれたことになります。
学生の嗜好や価値観について生の声を得られることもメリットです。実際の声をもとに事業につなげられる点で、既存の事業にも新規事業にも生かすことができます。
—--
木下様:
6年ほど連携をしておりますが、当初は若年層に企業の認知を拡大したいとの思いから連携が始まりました。現在パーソルグループでは、将来世代も重要なステークホルダーとして位置づけています。そのビジョン推進活動の一環として、BLPともコラボレーションを行っていますが、段々と関わる社員の人数も増え、社員のエンゲージメント向上にもつながっていると感じます。
今回は「2030年の『幸せにはたらく』を考察し、パーソルグループがそれに貢献できる新たな事業を提案せよ」というお題を出しました。学生に「はたらく」について考えてほしいとの思いから設定しました。また、学生ならではの「はたらく」に対する課題観やニーズを知り、事業につなげたいという意図もありました。
BL2を通じて、学生スタッフ制度の構造やコンテンツのクオリティに改めて驚きました。年々ブラッシュアップされていて、社内関係構築にも活かされますし、多くの発想をもらいました。あらゆる立場・ポジションにいる社員が関わる機会を持つことで社員同士のコミュニケーション活性化にもなると感じました。
—--
倉林様:
産官学民連携事業の一環として、他の企業や大学と連携したまちおこしプロジェクトを行っています。立教経営とは2022年から連携しており、今年の課題は、「もっと“池袋ファン”を増やすためにサンシャインシティグループができることを提案せよ」としました。学生ならではの切り口・トレンド・リサーチ力・発想力・行動力などを感じることができました。池袋がフィールドですので、リアルに足を運んでみてプランを構築していくということを特に今回は重視しました。
メンター社員の選定方法は毎年様々ですが、今年は基幹職から4名程選びました。「学生との会話を通じてフィードバック力が培われた」「共通知がない中でのマネジメントをどのようにすべきか体験できた」などの感想がありました。
BLPとの連携の中で、立教型リーダーシップを実践することが大切だと感じました。①自分事化し、自分ができることをする②自分の意見を持ち発言する③物事の背景を伝える④相手を尊重する、といったことが特徴だと認識しています。
BLPと連携することで、学生には池袋やサンシャインシティをもっと知り、好きになってもらうことができ、社員にとっては会社ではない場所でマネジメントを行う経験が得られました。
—--
最後に舘野准教授がモデレーターとなり松尾様、木下様、倉林様と宇田客員准教授、兼任講師・辻先生によるパネルディスカッションを行いました。会場の参加者からたくさんの質問が寄せられ、学生は実際にどの程度与えられた課題を自分ゴト化できているのか、企業社員がBLP授業に参加するにあたって何か事前に準備が必要か、PBLで脱落者を出さずに運営していくための工夫はあるか、などについてお話をいただきました。インタラクティブな議論が行われ、BLPカンファレンス2024は閉会しました。
その後、今年度の連携企業3社のご担当者様(サントリーホールディングス株式会社 松尾様、パーソルホールディングス株式会社 木下様、株式会社サンシャインシティ 倉林様)より、企業視点から大学とコラボレーションするまでの経緯、取り組み内容、今後の課題、大学生のアイディアがもたらす利点などついてお話をいただきました。
以下、内容抜粋
—--
松尾様:
一昨年に未来事業開発部部長がBLPを見学した際に、「面白そう」と感じたところからBLPとの連携が始まりました。①アカデミックの知見が得られる②若者の感性や情熱を感じられる、といった点から、共に学び、学生にサントリーのことを知ってもらいたいと思い、2年連続で連携しています。
今回は、私たちの会社のビジョンも反映させたお題を設定しました。3か月間タイトなスケジュールでしたが、課外授業も2度行うなど、社員・学生双方が情熱を持って取り組みました。
学生と関わることで、企業や社会人では持ちづらい発想を知ることができました。例えば先ほどの発表で言えば、私たちも「睡眠」の質を上げる事業は想像できましたが、「夢」をコントロールするということは「できないだろう」と決めつけていました。そういった部分に焦点を当て、根拠をもって提案してくれたことには驚きました。
また、事業を加速させる視点も得られました。実はある提案をしてくれた班が、秋にインターン生として事業にジョインすることとなりました。いただいた提案が現在進んでいるプロジェクトを後押ししてくれたことになります。
学生の嗜好や価値観について生の声を得られることもメリットです。実際の声をもとに事業につなげられる点で、既存の事業にも新規事業にも生かすことができます。
—--
木下様:
6年ほど連携をしておりますが、当初は若年層に企業の認知を拡大したいとの思いから連携が始まりました。現在パーソルグループでは、将来世代も重要なステークホルダーとして位置づけています。そのビジョン推進活動の一環として、BLPともコラボレーションを行っていますが、段々と関わる社員の人数も増え、社員のエンゲージメント向上にもつながっていると感じます。
今回は「2030年の『幸せにはたらく』を考察し、パーソルグループがそれに貢献できる新たな事業を提案せよ」というお題を出しました。学生に「はたらく」について考えてほしいとの思いから設定しました。また、学生ならではの「はたらく」に対する課題観やニーズを知り、事業につなげたいという意図もありました。
BL2を通じて、学生スタッフ制度の構造やコンテンツのクオリティに改めて驚きました。年々ブラッシュアップされていて、社内関係構築にも活かされますし、多くの発想をもらいました。あらゆる立場・ポジションにいる社員が関わる機会を持つことで社員同士のコミュニケーション活性化にもなると感じました。
—--
倉林様:
産官学民連携事業の一環として、他の企業や大学と連携したまちおこしプロジェクトを行っています。立教経営とは2022年から連携しており、今年の課題は、「もっと“池袋ファン”を増やすためにサンシャインシティグループができることを提案せよ」としました。学生ならではの切り口・トレンド・リサーチ力・発想力・行動力などを感じることができました。池袋がフィールドですので、リアルに足を運んでみてプランを構築していくということを特に今回は重視しました。
メンター社員の選定方法は毎年様々ですが、今年は基幹職から4名程選びました。「学生との会話を通じてフィードバック力が培われた」「共通知がない中でのマネジメントをどのようにすべきか体験できた」などの感想がありました。
BLPとの連携の中で、立教型リーダーシップを実践することが大切だと感じました。①自分事化し、自分ができることをする②自分の意見を持ち発言する③物事の背景を伝える④相手を尊重する、といったことが特徴だと認識しています。
BLPと連携することで、学生には池袋やサンシャインシティをもっと知り、好きになってもらうことができ、社員にとっては会社ではない場所でマネジメントを行う経験が得られました。
—--
最後に舘野准教授がモデレーターとなり松尾様、木下様、倉林様と宇田客員准教授、兼任講師・辻先生によるパネルディスカッションを行いました。会場の参加者からたくさんの質問が寄せられ、学生は実際にどの程度与えられた課題を自分ゴト化できているのか、企業社員がBLP授業に参加するにあたって何か事前に準備が必要か、PBLで脱落者を出さずに運営していくための工夫はあるか、などについてお話をいただきました。インタラクティブな議論が行われ、BLPカンファレンス2024は閉会しました。