2022/07/27 (WED)

経営学部の片岡光彦教授がSpringer社より共著で書籍を出版しました

OBJECTIVE.

経営学部の片岡光彦教授が国際大学秋田隆裕名誉教授(本学元特任教授)と共著でSpringer社より「Regional Inequality and Development: Measurement and Applications in Indonesia」を出版しました。

本書は、地域を経済単位とした地域間所得格差とその要因を理論と実証の双方の観点から検証しています。

本書は、2部7章で構成され、第一部では地域格差の形成に関する理論と、格差の測定とその変化の要因分析に必要な手法を紹介し、第二部では、インドネシアを対象にした4つの実証研究例を提示しています。分析手法では、統計解析ソフトStataで使われる様々なコマンドを説明し、実際のデータを用いて検証できるように工夫されています。実証研究では、課題の抽出から政策提言までの一連の政策研究の流れが理解できるように説明しています。

対象となる読者は、地域間格差分析に関心のある大学院生や政府関係者や政策コンサルタント等の実務家を想定しており、留学生向けの大学院講義や修士論文指導の教科書、国内外の政府機関職員向け研修や勉強会の教材としても利用可能です。本書は、平易な文章と丁寧な数式の展開の記載を心がけ、初学者にも理解しやすいように配慮しています。

本書の詳細については、下記をご覧ください。

Akita, T., Kataoka, M. (2022). Introduction. In: Regional Inequality and Development. New Frontiers in Regional Science:
Asian Perspectives, vol 63. Springer, Singapore.
本研究はJSPS科研費基盤C (17K03723,18K01589,26380308)の助成を受けた研究成果の一部です。

白石先生(中央)、秋田先生(中央右側)、筆者(右から二番目) インドネ シア国ウダヤナ大学にて

コメント

COMMENT

経営学部国際経営学科教授
片岡光彦

冷戦終結後の経済活動のグローバル化は、市場競争的な環境に地域を巻き込みながら、グローバルな経済発展とリンクした高開発地域とそこから切り離された低開発地域という新たな二重構造を生み出してきました。この傾向は広大な国土と膨大な人口を抱えながらも、経済発展を達成した東アジアの途上国で顕著に見られ、政府は一国の経済成長と地域格差の是正という二つの政策課題に対処する一方、政策研究者には課題解決に向けた研究上の貢献を求めてきました。こうした背景を踏まえ、我々は、 長い間、本テーマに関する研究に取り組んできました。本書は、私の恩師でもあり、 共同研究プロジェクトのリーダーでもある秋田隆裕先生のこれまでの研究・教育成果を土台としています。
最後に、本書を本学名誉教授・故白石典儀先生に捧げたいと思います。白石先生は在職中に本学の国際的なプレゼンスの向上とアジアの研究・教育機関との連携強化にご尽力しておられました。本書の出版が白石先生のご遺志の実現に少しでも貢献できれば望外の喜びです。

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