2020/09/16 (WED)

開催報告:立教BLPカンファレンス2020—BLPのオンライン授業化と教育効果について

OBJECTIVE.

2020年8月21日(金)、立教BLPカンファレンス2020をZoomウェビナーにて開催致しました。ご参加いただいた皆様、改めて御礼申し上げます。当日の様子をご報告いたします。

開催報告:立教BLPカンファレンス2020—BLPのオンライン授業化と教育効果について(2020年8月21日)

当日の様子:

 当日は、金曜日夜というお時間にも関わらず日本全国や海外から250名以上の方にご参加いただきました。冒頭、BLP主査でありBL0コースリーダーである舘野准教授よりご挨拶があり、その後BL0のオンライン化に向けてチームとしてどう取り組んだのか、そしてプログラムをどのようにデザインしたのかという2点について発表がありました。続いて、BL2コースリーダーでありデータアナリティクスラボ担当の田中助教から授業評価アンケートの結果等を元に春学期のBLPの授業の評価とその分析を発表しました。最後には質疑応答として、チャットやウェビナーの質問機能等を使い、皆様から頂いた質問に舘野・田中両名が答えました。

BLPカンファレンス2020開催告知

BLPカンファレンス2019開催報告

発表1:オンラインでリーダーシップをいかに育むか?

 舘野准教授からは、春学期での授業のオンライン化に際しての経緯や試行錯誤が紹介されました。BLPの特徴としてBL0のように1学年約380名に対して18クラスで実施するような大規模授業において教職員と学生スタッフがチームで運営している点を挙げ、このチームで取り組むことで授業のオンライン化やその後の手厚いサポートを進めることができたと紹介がありました。特に20年度は各クラスに5名ずつ参加するボランティアのメンターという学生スタッフがいることで、受講生に対する手厚い支援が実施できたと強調しました。
 授業のオンライン化に当たっては、まずは3月に学生スタッフと共に「世界一のオンラインリーダーシッププログラムをつくる」というビジョンを設定したことで「対処ではなく創造」に向けてチームが取り組めたこと、そして授業の実施方法をオンラインツールに置き換えるのではなく、内容面の再構成も含めたオンライン化を行ったと説明がありました。オンライン授業の内容を考えるにあたっては、ウェルカムキャンプやBL0という授業がこれまで果たしてきた学生間のつながりづくり、大学というコミュニティへの参入という役割を重視してプログラムの設計を行ったと述べました。そして実施にあたっては、オンライン授業へのアクセスといった機材面の壁、授業に関わるすべての人の操作技術の壁、そしてオンライン授業での教育・学習という壁を、教職員・学生スタッフが協働して少しずつクリアーしていったと試行錯誤の様子を紹介しました。
 最後に、今後の課題としては、クラス内のグループ単位でのコミュニケーションを成立させることはできても、その一つ上のクラス単位でのコミュニティ意識を醸成するのが例年に比べて難しかった点。そしてオンライン化されたプログラムでは偶然発生するコミュニケーションを設計することが難しく、これまで自然に発生していた授業前後(授業外)の教員や学生スタッフと受講生、あるいは受講生同士の偶発的なコミュニケーションをどのように設計するかという2点を挙げました。

発表2:オンライン授業による教育効果

田中助教からはオンライン化した授業の教育効果について報告しました。なお、この発表の元となった経営学部データアナリティクスラボの財団法人電通育英会様ご寄附による研究プロジェクトの調査については、立教大学ウェブサイトにて公開しております。合わせてご覧ください。
 冒頭、田中助教はBLP受講生アンケート調査の結果を元に、20年度春学期のオンライン授業における教育の質は保障されている、という報告がありました。具体的には、授業に対する満足度に加え、リーダーシップに対する理解度や実践の程度について、対面で行われた昨年の授業データと比較して高かったことが紹介されました。(なお、調査で使用したリーダーシップ行動尺度については、オンライン上で論文が閲覧できます)。またオンライン授業でも高い教育効果がみられた背景には、高い出席率やノートやメモを取りやすい学習環境、また教員や学生スタッフによる積極的なフィードバック、インタラクティブなやり取りの工夫などが挙げられることが報告されました。
 また、オンライン授業の教育効果を高める教室外(授業時間外)の要素として、個人の自習時間やグループワークの時間が例年以上に増えたこと、メンターによる個別支援の効果などが報告されました。オンライン化に伴う受講生の学習環境の変化に対して、BLPがこれまで提供してきた受講生に対する教室外の学習支援がうまく機能したのではないか、という考察がなされました。もちろん、オンライン化にはこうした良い面ばかりではなく、受講生が自ら授業の雰囲気作りに貢献できたと回答する割合が減るなど、リーダーシップ行動の一つである「率先垂範」の実践については今後の課題であると指摘されました。最後に、オンライン授業においては教室内だけでなく、教室外を含めた学習活動全般に対する支援が重要である、とまとめ、第2部が終了しました。

質疑応答

 当日、チャットやウェビナーの質問機能などを使用して参加者の皆様から多くのご質問を頂きました。最初の質問は、ウェルカムキャンプやBL0の授業運営においてたびたび言及されていた「メンター」について、その経緯などを紹介してほしいというものでした。舘野から、SAやCAに対する応募倍率が高い中で、授業に関わりたいという学生たちの受け皿としてメンターが始まり、段階的に授業運営の中に組み込んでいったことが紹介されました。続いて、学生スタッフはどんなモチベーションで参加しているのかという質問には、自分達が先輩から受けた事を後輩に伝えたいという「恩送り」や「先輩へのあこがれ」、そして「自己成長」等が多いと回答。そうしたモチベーションの学生を受け入れるためにも、ウェルカムキャンプやBL0の運営は安易に安定化させず、毎年変化する要素を意図的に残している、とコメントしました。最後に、秋学期に向けたチャレンジは何か?という質問には、春学期という緊急時に成立した仕組みをどうやって平常時の仕組みにしていくかを考える必要があり、特に運営側も受講生側も含めた負担軽減などを考えていく必要がある、と回答しました。

最後に

 田中からは、今日は新聞や雑誌等でよく取り上げられるBLPの仕組みや制度の部分ではなく、それを根幹で支えているBLPのカルチャーについてお伝えできればと思っていた。我々も決して成功事例と呼べる立場にはなく、これからもチャレンジを続けていく。日本中で同じような思いを持ち、チャレンジされる方々のお役に少しでも立てれば嬉しい、とコメントがありました。舘野からは、全員発揮のリーダーシップは不確実な環境下でこそ必要と言い続けてきたが、まさに今年誰も答えを知らない状況が発生した、それによって全員発揮のリーダーシップを改めて体験する事ができたと思う、と総括のコメントがあり、カンファレンスは終了しました。

事後アンケート

 当日ご参加いただいた方のうち、84名の方に事後アンケートにご回答いただきました。アンケートへのご協力、誠にありがとうございます。多くの方にカンファレンスを通した学びやコメント等お寄せいただきました。今後ともこうした形でBLPの取り組みについてご紹介してまいりたいと思います。

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立教大学経営学部BLP事務局

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