経営学は一言でいうと企業のことを研究します。経済学は企業をとりまく環境のうち、市場を主に研究します(市場は家計や政府にとっても環境になりますから、経済学は企業以外のことも研究することになります)。 例えば企業の中で人材がどう育てられ、どう活用されるかは経営学の中心的なテーマの一つです。しかしこの問題は企業をとりまく外部の労働市場を抜きには語れません。
大学を卒業した新人を教育して一人前に育てるよりも、労働市場から経験者を雇い入れるほうがいい場合もあるでしょう。それは市場という環境次第であり、この労働市場を分析するのは主に経済学です。ですから雇用問題を分析するのに経営学も経済学も必要です。
と書けば察しがつくでしょうね。
経営学と経済学は学問的に本来協力関係にあり、皆さんが学ぶときにも(比重は違うとしてもある程度までは)両方勉強すべきものです。立教大学経営学部では、科目数で言えば当然ながら経営学系の科目が中心なのですが、経営学科の1年生では経済学が全員履修の科目になっており、企業の環境を把握するための道具である経済学の基本を習得できるように配慮されています。これは米国等の大学と同様です。