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活動レポート
NPO法人日本アクションラーニング 年次カンファレンス2014 金井教授基調講演(後編)

2015年07月23日 更新|  印刷印刷する

  2014年7月4日(金)日本アクションラーニング協会主催の年次カンファレンス2014~アクションラーニングによるリーダーシップ開発と組織開発~にて、金井壽宏教授(神戸大学大学院経営学研究科教授、経営人財研究所代表)が“リーダーシップ開発と組織開発”について講演されました。立教大学経営学部の学生レポーターによるレポートを掲載いたします。

前編に続き、基調講演での「リーダーシップ開発と組織開発」ご講演記事を掲載いたします。

リーダーシップの種類

 一方、組織変革においては、リーダーシップが重要であると述べるとともに、それには様々な種類があると教授はおっしゃいました。選挙などの投票で選ばれたelected leader、上層から任命されたappointed leader、自然発生的なemergent leaderの3つのリーダーを列挙しました。まず前提として、職権などを武器に無理矢理人に変革を押し付けることは、リーダーではなくディクテータです。ただ、elected leaderやappointed leaderであれば、これらのリーダーが推進する変革に対して、不満を感じる人が出ることが予想されます。なぜなら、これら2つのリーダーの推進する変革を受け入れる以前に、リーダーになることに反対だと考える人がいるからです。

 他方で誰が決めたわけでもないのに、皆がいつの間にかリーダーと認めている際のリーダーがemergent leaderです。教授はこの形が最良なるリーダーであると述べています。この自然発生的なリーダーとは、どのような人を表すのでしょうか。それは例えば、社内の会議の際、役職の有無に関わらず、あの人の提案は面白そうだからやってみようと気がつくと皆の同意を得られている場合があります。誰かに任命されたり、権限が与えられたりしていなくてもリーダーシップを自然と発揮している人が、emergent leaderに該当します。このようなリーダーがなぜ最良であるのか。それは、上記で述べたように、周囲がいつの間にかリーダーと認めてしまっているので、そのリーダーが推進する変革に周囲が賛同する可能性が高まるからです。それは、最初に述べた二つのリーダーのように強制性を伴わずに、周囲から同意と協力が得られることが期待できます。

 

リーダーシップとは

 リーダーシップは定義の難しい、曖昧な概念です。大半の人は偉業を成し遂げた人やメディアに注目されるカリスマ性のある人、例えばスティーブ・ジョブズのような人をリーダーとして思い浮かべるかもしれません。しかし、私自身も兼ねてからリーダーとはどういう人かを端的に述べる事は難しいと感じていました。

 この曖昧なリーダーシップという概念について、今回のカンファレンスで、教授自身が考える一つの定義を以下のように述べてくれました。

 “リーダーシップとは、周囲から『willingly follow、喜んでこの人についていこう』と思われる人である。”

  私はこのとき、今までなんとなく頭では浮かんでいながらも、言葉で簡潔に表現することが出来なかったことを、きれいに文字化された印象を受けました。カンファレンス参加者で、このように感じたのは、私だけではないと思います。

 私は今までリーダーシップをとるとはどういうことか、どんな風に行動に移せばよいのかを考えてきましたが、それはひとつに限定することはできないし、する必要もないと分かりました。つまり『喜んでこの人についていこう』と思われるきっかけとなった行動、それは、落ち込んでいる誰かの話を親身に聞くことかもしれなし、励ますことかもしません。それらはリーダーシップと成り得るのです。つまり、リーダーシップというのは持って生まれた資質ではなく、リーダーの経験、場数を踏んで行くことで蓄積され、もともとのパーソナリティになかったとしても行動を振り、学べるものなのです。

 

組織開発におけるサーバント(奉仕)型リーダーシップ

 組織開発を行う際、重要なのは他のメンバーをぐいぐい引っ張っていくリーダーシップより、あくまでバックアップとして組織の発展を支援するサーバント(奉仕者)型リーダーシップであると教授は述べました。このサーバント型リーダーシップは、組織課題に対して参加者が自ら解決策を考え、実行し、検証するアクションラーニングにおいて、特に重要であると述べました。なぜなら、アクションラーニングのの実践形態である質問会議®でキーパーソンであるアクションラーニングコーチ(ファシリテーター)は、組織のメンバーの声に耳を傾けながら、組織課題解決に導く役割を持つためです。

 

リーダーシップ・パイプライン

最後に、教授は年次カンファレンス2014全体のテーマとなっているリーダーシップ開発と組織開発を結びつけるものとして、リーダーシップ・パイプラインの構築が重要であると述べました。これは、組織内の階層的な各役職、各世代をひとつのパイプラインとしてなぞらえて、上の階層・世代のリーダーが次のリーダーを育むことで、組織内で連綿的にリーダーを輩出するための仕組みです。つまり、組織の発展を導くリーダーを組織全体で体系的に育成しようとする考え方です。

 このリーダーシップ・パイプラインの構築は、「リーダーでないと、リーダーを育むリーダーにはなれない。」という発想からくるものです。言い換えるならば、優れたリーダーの下には、次なる優れたリーダーが現れやすいということです。広義に解釈すれば、リーダーシップ・パイプラインを構築することは、企業の市場命題である「持続可能な企業」や「イノベーション」をもたらし、社会全体の活性化につながると言えるのではないでしょうか。

 

 学生レポーター 立教大学経営学部経営学科3年 仲村友樹

2015年度アクションラーニングカンファレンス

2015年度もアクションラーニングカンファレンスを開催いたします。ご参加ご希望の方は、以下リンク先よりお申し込み下さい。

日本アクションラーニング協会 年次カンファレンス2015 

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